就学時健康診断で引っかかる子の特徴と健診の流れや内容について

小学校入学前に、突然「あなたの子どもは発達障害児の可能性があります」と通告されたらどうでしょう。

そんな大騒動に発展する可能性がある「就学時健康診断のご案内」が届く季節となりました。わが家も、上の子の健診の時は、仕事そっちのけで12月まで怒濤の時間を送る羽目になりました。そんなお騒がせな「就学時健康診断」について紹介します。

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就学時健康診断とは

就学時健康診断というのは、子どもが幼稚園や保育園の年長になった年の秋に受ける、就学前の健康診断のこと。

原則、子どもが通う予定の小学校で、指定された日に受けます。

もし、この日に受けることが難しい場合は自治体に連絡し、別の日に別の小学校で受けることに。でも、できるなら、自分の子が通う小学校で受けたいですよね・・・。

就学時健康診断当日の流れ

就学時健康診断の当日は、次のような流れで健診が進みます。

(1)親子で指定された時間に小学校へ行く
(2)親子一緒に、体育館などで健診が始まるのを待つ
(3)子どもが先生に連れられて教室へ行く(親は体育館などで待つ)
(4)1時間くらい親は待つ
(5)子どもが親の元へ戻って来て終わり

このような流れになります。

子どもは30名前後がひとつのグループになり、1人の先生に連れられて親から離れ、先生の指示に従って健診を受けます

親は「子どもがなにをやっているのか分からない状態」で待つんです。何をやったのか、というのは、子どもから話を聞いて推測するしかありません・・・。

大体、次のようなことを行っています。

・歯科健診
・内科検診
・聴力検査(先生が小声で言った言葉を聞き取る)
・視力検査
・知能検査(学校によっては、先生が気になった子だけ実施することもある)

こうした検査を行って「ちょっとおかしいぞ」となった子には、健診後「就学について検討した方がいい」という通知が送られます

通知が来るタイミングは自治体によって様々。

健診当日、他の子が帰った後に校長先生と親子で面接したり、後日、教育委員会から書類が届いたり。

引っかかる子に対する対応は自治体によって異なりますが「健診の後に、何らかの指摘を学校か自治体から受ける」のは確かです。

特になにも指摘を受けなければ、特に対応する必要はありません。

就学時健康診断でひっかかる子の特徴

就学時健康診断では、子どもの健康状態や、身体と精神の発達状態をチェックされています。いわゆる発達障害の疑いがある子の有無をチェックしているんですね。

身体や精神面の発達に問題がある子

就学後の集団生活で本人が辛い思いをしそうだ、と先生達が気になった子

こうした子が健診後に指摘を受けることになります。いわゆる、引っかかるということになります。

・集団行動を取らずに好き勝手なことをする
・先生の指示を理解していない
・課題に取り組むことができない
・席に座らず、ウロウロする
・知らない子どもや知らない大人を恐れて泣いて健診を受けられない
・質問などに対する受け答えができない

簡単に言えば、他の子と同じように年相応の行動を取れない子が指摘を受けることになります。

6歳前後になれば、例え初対面の子や大人と一緒になっても、周囲の状況を見て自分がどのような行動を取るべきか判断し、集団行動を取れるようになっています

それができない、ということは、心などの発達が遅れている可能性が否定できません。

引っかかった子の親御さんが「うちの子は恥ずかしがり屋だから」「知らない所だったから」「急に親から離されたから」できなかった・・・と話すのを聞きます。

ママ友だったら「そうよね」「急に言われたら大人だって戸惑うわよね」というように同意してくれるもの。でも、現実はそうではないんですよね。

就学時健康診断で引っかかるということは「小学校に上がってから、集団の中で本人がついていけなくて困る可能性がある」ということ。

発達の遅れや発達障害を指摘されると親御さんは大きな衝撃を受けますよね。教育委員会に文句を言う親御さんもいるようです。

でも、これは「子どもの発達に特徴があり、就学の際にサポートがあった方が子どもが困らないと考えられる」という指摘です。

「このまま普通に就学すると、子どもが困る可能性があるよ」と教えてくれているので、素直に聞いて、子どもと向き合うのがベストなんです。

引っかかった子と親に突きつけられる選択肢

就学時健康診断に引っかかったら、次のような対応が必要になります。

・子ども発達支援センターなど、自治体のサポートセンターで子どもの発達の状態をチェック
・幼稚園や保育園などでの過ごし方を、担任の先生に教えてもらう(書類を書いてもらう)
・就学先をどうするか、親と本人の希望を決め、教育委員会に伝える

子どもの発達の状態を知り、就学先を検討する、という作業が必要になります。

発達支援センターなどでは、田中ビネーやwisc-ivといった検査を受けることができ、子どもの発達にどのような特徴があるのか、チェックしてもらえます。

「椅子に座っていられない」「集中力がない」「言葉を理解できていない」「作業能力が低い」など。

いろいろな特徴を知ることができ、集団生活に付いていくのが難しいかどうか、判断することができます。

ただし、発達支援センターでは検査をして傾向を見るだけ。決して「発達障害です」「自閉症です」などの診断は行いません。

発達障害の診断を受けたいなら、小児神経科医がいる病院に複数回通って診断してもらうことになります。

診断は医師しかできませんから、医師のいない発達支援センターなどでは「アスペルガー」や「自閉スペクトラム症」などの診断名をもらうことはできません。

※時々「支援センターに行け!って言われたから行ったのに、発達障害かどうかはっきり言ってくれなかった!意味なかった!」という方が居ますが、支援センターは相談する場であって、診断してもらう場ではありません。そば屋へ行って、ラーメン定食がない!と怒っているようなもの。どうして、なにをしに行くのか分かった上でサービスを利用したいですね。

就学先の決め方

就学時健康診断で引っかかった子の就学先はいくつかあります。

普通学級

なにを指摘されようが、ウチの子は普通よ!!!

そう押し通して普通学級に進級することはできます。

いくら教育委員会でも、学校も、親や本人が承諾しないのに、子どもを支援学級などへ行かせることはできません。最終決定権は親と子にあります

親子が「普通学級」と押し通せば、どんなに特徴があろうが普通学級に入学できます。

特別支援学級

今は多くの小学校に特別支援学級が設置されています。

知的な遅れがある子を対象とした「知的学級
知的な遅れはないけれど対人関係や情緒面の発達などが遅れている子を対象とした「自閉症・情緒障害特別支援学級

が多く設置されている学級ですね。

他にも、弱視、難聴、言語障害、病弱・身体虚弱など、様々な特別支援学級がありますが、これらは設置数が少ないです。

特別支援学級は、先生1人に対して生徒は8人まで。
少人数制の学級で、さらに介助の先生が付くことも多く、非常に手厚いサポートを受けられます。

ただし、学校によって特別支援学級の質・レベルは全く異なります。また、担任の先生の知識や経験によって質・レベルが大きく変わるので、当たり外れが激しいのが難点です。

通級

普段は普通学級に在籍しているけれど、定期的に開級される発達障害をサポートする学級に通うことを通級と言います。

通級では、ソーシャルスキルトレーニングや言語トレーニング、作業療法など、色々なサポートが受けられます。

ただし、全ての小学校に通級学級が開設されている訳ではありません。また、どんな学級が開級されているのか、それは学級によってマチマチ。

私の娘が通う学校には通級はありません。
希望者は通級学級が開級される時に授業を抜け出し、保護者がその学校まで子どもを送迎する必要があります。

また、通級学級の授業内容も子どもの特性に合ったものとは限りません。通級が合う子にはいいのですが、合わない子には効果がない学級です。

特別支援学校

手厚いサポートを希望する場合は、特別支援学校がいいですね。

また、病弱・身体虚弱の子や、医療的ケア児は通常の学校には入学が難しく、特別支援学校へ・・・という現実がありますね。

ただし、特別支援学校は希望したから直ぐに入れる、という所ではありません。

子どものIQや障害の程度によっては断られることも・・・。希望する方は、年中くらいの時から教育委員会と相談したり、学校見学に行っているので、地域によっては競争率が高いこともあります。

わが家のASDの子の経緯と今、そして将来

私の上の子(小学生になってからASDと診断を受けた子)の例を紹介しますね。

上の子は、2歳の時に「貴方の子は発達障害児よ!貴方の子のせいで保育士が迷惑してるの!退園して!」と言われて保育園を退園させられた経験があります。
(直後に、娘の得意分野を発掘してくれ、メチャクチャ個性を伸ばしてくれた認可外保育園に出会えて助かったのですが、流石にショックでした・・・)

そういう経験を踏まえ、自治体の発達支援センターに相談に行ったものの、そこの療育が全く娘に合わない上、生の情報を手に入れられなかったので早々にサヨナラ・・・。

民間企業の療育施設と、病院のリハビリ施設での言語聴覚療法を受けながら、認可外保育園に通っていたある日・・・。

7月中旬頃:発達支援センターから数年ぶりに電話「就学前相談を受けなさい」と言われる

8月初旬頃:教育委員会に連絡して、親・子・教育委員会担当者と面接。可能なら普通学級を希望と伝える。

10月初旬:学校見学。校長先生や教頭先生に質問したり、疑問点を教えてもらう

10月中旬:就学時健診。なんの指摘も無し(既に就学前相談をしているため、指摘なし)

10月中旬:「発達検査の結果」「保育園の先生作成の集団生活に関する書類」「就学先の希望」を提出せよと教育委員会から書類が届く。超焦る!!!!

10月下旬:通っていた民間企業の療育施設に頼み込んで発達検査を受け、結果を超特急で作成してもらう(2万円支払う・・・)

11月下旬:締切を過ぎて、書類を提出(支援学級を希望、と書いて出す)。この書類は、教育委員会で「就学先がどこが適切か審議」をする材料とのこと。

12月中旬:特別支援学級が望ましい、という審議結果を書類でもらう。

ざっくりと、このような流れでした。

一番困ったのが「発達検査の結果」を提出すること。
そもそも発達検査は希望しても数カ月待たなければ検査を受けることができません。そして、結果を正式に書類でもらうためには費用が発生します!!!!!!!

こういう現状を知らないんでしょうね・・・。教育委員会は簡単に「結果を出して」と言います。夫は「5歳の時の結果を出せばいいんじゃねぇの?」と笑っていました。

無視して「持ってない!」と突っぱねても良かったのかもしれませんが、教育委員会とケンカしたくないですからね(小・中学校と付き合うことになるので。下の子も居るし)。

結局、娘は小1は特別支援学級(知的)に在籍。
交流が盛んな小学校で、国語と算数以外は普通学級で介助の先生付で過ごしていました。

小2は特別支援学級(情緒)に移籍。担任の先生いわく「知的な遅れはなさそうよ?」とのことでした。

小3の今も特別支援学級(情緒)に在籍していて、国語と算数以外は普通学級へ行っています。介助の先生が付かないこともあるようです。

同級生は「あの子は支援の子。ウチのクラスに来たり、居なくなったりする子。時々、変な事言う変わった奴」という認識で、今のところは特にいじめ等はないようです。

支援学級には3タイプの子がいます。

【1】学習面・生活面で支援が必須の子

【2】低学年のうちからサポートを受けていたお陰で、上学年や中学校で普通学級に無理なく進める子

【3】上学年になって初めて支援学級に来てサポートを受けるようになった子

多くの親が希望するのは【2】だと思うんです。
しかし、それは低学年のうちからサポートを受け、こういう時はどうすればいいのか。どう人に助けを求めればいいのか、ということを学習しなければなりません。支援学級に早くから所属した子だけが身に付けられるスキルです。

「うちの子は普通学級でいいはず!」と押し通した親御さんの場合、大抵が【3】になります。子どもは年齢が上がれば上がるほど、周囲と自分の差を感じますし、対人関係などのトラブルも増えます。そしてプライドもあるので、支援学級へ移籍するのが難しいことも。

私自身は、サポートが必要と判断される子なら、低学年のうちに支援学級に所属し、どういうサポートが必要なのか親子で学んで集団生活に対応していくのがベストだと思います。

小学校と中学校で支援学級に在籍していたとしても、普通の子達と同じような高校を受験する方法はあります。

中学校で(例え0点でも)普通の子と同じように中間テストや期末テストを全部受ければ、ダメダメの内容でも内申点が付き、それ相応の高校へ行くことができます。

私立の高校でもいいし、通信制の高校でも高校卒業資格を得られる所があります。高校卒業資格があれば、専門学校も行けるし、通信教育で資格などを取得することだってできます。

小学校の入学時に普通学級に入らなかったから、お先真っ暗!!!ではありません。
むしろ、就学時にムリをして子どもの心に傷を付け、二次障害を受けたりして集団生活を送れないことの方が将来に響きます。

小学校の入学は、子どもの負担が軽い(早く学校に馴染めるような環境)を選ぶといいと思います。サポートが必要と周囲が言うなら、そういう特徴があると思って子どもと向き合うのがベストです。

子どもと向き合い、学校と見学し、先生達と話をして子どもに合う環境を作ってあげてくださいね。

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