毎年のことながら、必ず流行するインフルエンザ。
冬の度に辟易している人も多いと思います。特に、保育園児や小学生の親御さんは一週間以上仕事に行けなくなるなど、仕事を失う危機?!に直面することも・・・。そんなインフルエンザについて調べてみると、耳寄りな最新情報も! ひとつずつ紹介していきます。
目次
そもそも、インフルエンザってどんな病気?
ウイルス性の病気で、いろんな動物が感染する
インフルエンザは、いろんな動物がかかる病気です。人のインフルエンザもあれば、鳥のインフルエンザもあり、犬や猫にもあります。
それぞれウイルスが違い、感染する対象が違うので、犬のインフルエンザが人にうつるようなことはありません(例外的に、海外で、鳥のインフルエンザが人にうつった、という報告がありますが)。
インフルエンザウイルスによって感染が引き起こされるので、抗生物質は効きません(抗生物質は細菌に効果がある薬)。
大抵、冬に大流行します。
大きく分けてA型とB型がある
インフルエンザは大きく分けで、A型とB型があります。
・A型:鼻・喉・気管支・肺など、呼吸器系の症状がメイン&高熱が出やすい
・B型:腹痛・下痢・嘔吐・胃腸の不快感など、消化器系の症状がメイン&高熱が出にくい
ザックリとした分け方ですが、こうした違いがあります。
A型になると、肺炎の危険が高くなりますし、B型だと脱水症状の危険があります。
遺伝子型で分けることも
なお、香港型などという呼び名を聞いたことがありますよね。こちらは、普通に病院で行う簡易検査では分かりません。
精密な検査で遺伝子をチェックし、H3N2亜型(香港A型)などという、A型やB型とは違う呼び方をすることがあります。
この遺伝子型は、一般の人にはあまり馴染みがない呼び方かな? 検疫関係の人や製薬会社の人、医療関係者にとっては、しばしば耳にする呼び方だと思います。
※鳥インフルエンザは、簡易検査で陽性・陰性を判断した後、精密検査で遺伝子型を確定しますけどね。
予防方法は? ワクチン接種すれば感染しない?
お勧めのNew予防方法!
もの凄く原始的ですが、一番の予防方法は、手洗い、マスク、うがい。これにつきます。が、実は、もっと簡単で実践したい予防方法があります。それは・・・
医療関係者の方々がやっている予防法としてSNSで紹介されていた「10分置きに飲み物を飲んで、喉に付着している(可能性がある)ウイルスを流してしまう」という方法!
インフルエンザのウイルスは、人の鼻の奥・喉の周辺と腸管で増殖します。一定以上の量になると症状が出始め、さらに増えると、病院の簡易検査で陽性か陰性か診断できるようになります。
つまり、喉や腸管で増殖させなければOK! 例え、ウイルスを吸い込んでも、喉の粘膜の上でウイルスが増える前に、洗い流しちゃえばいいんですよ。
胃は強い酸性ですし、胃では増えませんから、簡単で効果が期待できそうですよね。子どもの看病をしている親御さんには、お勧めの予防法です。
(私も実践していますが、長女・次女、立て続けにインフルBに感染したけれど私は大丈夫です)
ワクチンはお守り程度に考えて
毎年、秋頃からインフルエンザのワクチン接種の話が出てきます。今のワクチンは、1本でA型とB型両方に対応していて、子どもは通常2回打ちます。
ワクチンの効果は接種して1カ月前後で現れると言われています。さらに、持続期間は3カ月くらい。
このため、流行時期を予測して、毎年、接種する必要があります。結構な出費になりますよねぇ・・・。
ワクチンは接種していても感染する可能性はあります。ワクチン=感染予防ではないんですよね。
予防は予防でも、重症化を防いでくれる、というメリットを頭に入れておくといいと思います。体力や抵抗力が低い高齢者や、ぜんそくなどの持病がある人は、インフルエンザが重症化すると命の危険に晒されることがあります。
そうした人が率先して受けるもの、という考え方がいいのでは? と思います。
新しいワクチンが開発されている!
インフルエンザのワクチンって、接種するの痛いと思いませんか? かなりの量の予防液を皮下に入れるので、本当に痛い・・・。
この痛みがなく、注射を使わないワクチンがあったらいいですよね! そんな新しいワクチンが開発されているそうです!
絆創膏のように貼るタイプ(パッチ型)のインフルエンザワクチンをアメリカの研究機関が開発中だそうです。
・注射器を使わず、簡単に貼れる
・冷蔵保存しなくていい
・保存期間が今のワクチンより長い
・安価
・痛みがほとんどゼロ
こうしたワクチンがあるといいですよね。早く安全性が確認されて実用化され、日本でも認可されるといいのですが・・・。
<情報参考文献>
※日本の大学での研究報告
※医学雑誌 The Lancetより
ワクチンは効果がある
誤解されては困るのですが、ワクチンは効果があります。接種すれば、体に抵抗力がつくので、体内で爆発的にウイルスが増えて周囲にまき散らすことを抑えてくれます。
絶対に感染しない! という保証はありません。しかし、接種していない時のように爆発的に体内でウイルスが増える可能性が低くなるので、重症化しにくく、また、周囲に広げない、という効果があります。
この周囲に広げない、という効果が重要なのです!!
2017年は夏にインフルエンザが流行する、という不思議な年でした。このため、冬の流行に備えるためのワクチンが不足し、ワクチンを接種している人(ウイルスをまき散らしにくい人)が少なかったと言われています。
ワクチンは大切です。
インフルエンザが流行する訳
インフルエンザの初期症状は、普通の風邪と同じ
インフルエンザの初期症状は、発熱・咳・鼻水・痰・食欲不振・寒気・だるさ・元気消失・腹痛・下痢など、普通の風邪だったり、ちょっとした体調不良と同じなんですよね。
しばらく経ってから、市販の風邪薬で治らないとか、40℃の高熱・激しい咳が続いて夜も眠れない、といった重篤な症状が出るとか、「インフルエンザかな?」と疑う状態になるわけです。
しかし、こうした状態になった時には、既に周囲にウイルスを大量にばらまいているんです。このため、気付いた時には時既に遅し! ねずみ算式に感染者が増えています。
インフルエンザの検査がウソのケースもある
インフルエンザの簡易検査は、鼻から長い綿棒のようなものを突っ込みます。痛いです。はい。
インフルエンザのウイルスは喉の粘膜の上で増えます。なので、閉じることができない鼻から綿棒を入れて喉の粘膜をぬぐい、採れたサンプルを検査キットに入れてウイルスがいるかどうか、調べます。
しかし、検査キットが「陽性」になるには、ある一定以上の数のウイルスが必要です。まだ、インフルエンザにかかったばかりで喉の粘膜にいるウイルスの数が少ないと「陰性」になります。
本当は体内でウイルスが増えている最中なのに陰性になってしまう、隠れインフルエンザの人が世に多く出回ると大流行になります。
確実にインフルエンザの結果を得るには2回の検査
私の娘の話ですが、次女は発熱した日に陽性反応がでました。しかし、長女は発熱した日に陰性と出て、さらに朝38℃だった熱が昼には平熱に。
あらあら、長女はインフルエンザじゃなかったのね?
そう思ったのですが・・・次女の治癒証明をもらうために翌日、再度、小児科に行って念のため、長女も再検査したら、陽性が出ました。
インフルエンザの検査は、発熱した日と翌日、2回受けると信頼性が高くなると思います。
症状が出にくいインフルエンザもある
わが家の長女は朝38℃の発熱と頭痛を訴えたものの、その後はずっと平熱で元気で症状がありません。でも2度の検査でインフルエンザと診断されました。
こうした症状がほとんど出ていないけれどインフルエンザ、という人は、結構居るんじゃないでしょうか?
わが家の場合、学校で学級閉鎖が発生していたし、妹がインフルエンザだったので病院で検査しましたが、もし、大人だったら「ちょっと調子が悪いかな? でも仕事休めないし」という自己判断で病院に行かないと思います。
この隠れインフルエンザが大流行の一因だと思います。
症状が治まっても、ウイルスをまき散らしている
インフルエンザの症状といえば、高熱・咳・鼻水・腹痛・下痢などが思い浮かぶと思います。こうした症状がなくなっても、感染している人の体内にはインフルエンザ・ウイルスが残っていて、周囲にばらまいています。
えぇ。わが家の長女がそうです。朝、38℃の熱が出たけれど、その日の昼には平熱になり、表だった症状はありませんでしたが、翌日の朝には検査キットが反応するほど、ウイルスが体内で増えていました。
症状がなくても、ウイルスを持っている人がいます。
まぁ、これは、インフルエンザに限った事ではありませんが・・・。怖いですね。
インフルエンザ=出席停止という厳しい現実
保育園や小学校に通う子どもがいる親御さんにとって、非常にツライ現実なのが、出席停止です。
これは、法律で強制的に休まされることをいいます。えぇ。学校から「学校、来るな!」と通告されるんですよ。これは、学校保健安全法というもので決められています。
病気は数多くありますが、感染力の強弱や、症状の重篤化レベルなど、病気の中でも危険度ランキングのようなものがあります。ランキング上位の病気になった場合、学校に行ってはいけないことになっています。
インフルエンザ、百日咳、風疹、麻疹、流行性耳下腺炎、水痘(水疱瘡)などなど。結構な数の出席停止対象病気があります。
インフルエンザの出席停止期間は最低5日
インフルエンザの場合、出席停止期間は最低5日。解熱後、2日間経過してから出席OKになります。
例えば、38.0℃の熱が出て、翌日に陽性診断を受けたわが家の娘の場合・・・。
発熱当日:発症日とする(38.0℃)。検査は陰性
翌日1日目:熱なし(解熱した日)。検査で陽性(タミフル服用開始)
2日目:症状なし。
3日目:症状なし。
4日目:症状なし。
5日目:症状なし。
6日目:治癒証明を持って登校OK
こうなります。解熱しているけれど、発症後、最低でも5日間は出席停止なんです(インフルエンザは5日経過すれば、ウイルスを排出しなくなるそうです)。
なお、もし、途中で発熱したらカウントし直しになります。再び熱が下がった日の翌日から2日間数えることになります。だから、とにかく、熱出るなぁぁぁぁ~~! と祈る日々が続きます。はい。
治癒証明はいくらかかる?
インフルエンザになると、タミフルを飲みながら症状の推移をメモして医師の元に持参し、治癒証明書という書類を書いてもらいます。
娘が通う保育園や小学校の場合、保育園や小学校にある書類を持参して医師にサインしてもらいます。
私が利用している小児科は500円かかりました。これ、自治体の医療助成制度適用外なんですよね。なので、いつもなら200円の所、700円支払うことになります。
事前に病院に確認してみるといいですよ。
インフルエンザの薬の種類と副作用について
薬は種類がさまざま
インフルエンザの薬といえばタミフルを思い浮かべますが、実は色んな種類があり、形状も様々です。
・タミフルカプセル75(カプセル状)
・タミフルドライシロップ3%(粉薬)
・リレンザ(吸引器で吸う)
・シンメトレル錠 100mg(錠剤)
・シンメトレル錠 50mg(錠剤)
処方にいは条件があるので、必ず希望するものがもらえる訳ではありませんが、形状を相談してみるのもアリだと思います。
長女は一度、リレンザを処方してもらいましたが、吸引器が使えず、コップに薬を出してストローで吸わせたことがありました・・・。
このため、それ以降はタミフルドライシロップ3%をお願いしました。苦い!!! と嫌がりますが、リレンザより確実に体内に入ります。
私の母がリレンザ(吸引器)を使っていましたが、やっぱり難しい・・・と言っています。高齢者も吸引器は難しいかもしれませんね。
薬の副作用について
有名な副作用として、タミフル服用後の異常行動がありますよね。
私の知り合いでも
・寝ていた子どもが突然、起き上がって枕に向かって延々と話し掛けていた
・寝ていた子どもがリビングをグルグル回って徘徊した
こんなびっくり行動が見られたり、私の次女は、突然の鼻血が3日続きました。
薬には必ずプラスの効果とマイナスの効果があります。プラスの効果は治療になりますが、マイナスの効果が副作用と言われます。
タミフルやリレンザなどにも副作用はあり、程度はどうであれ、比較的よく現れるようなので薬を飲んでいる間は目が離せません。
薬の副作用で怖いのは、蒸気のような行動・症状の次の状態です。
例えば・・・家の中を徘徊するだけならマシですが、ベランダから飛び降りたりすると命の危険に晒されます。
また、私の娘の鼻血も、直ぐ止まれば粘膜が弱っている・・・だけで済みますが、体のあちこちに内出血の痕が出たり、血が止まりにくい状態になると、血小板減少症という病気の危険があります。
このため、いつもと違う?! という症状が出たら記録を取っておくこととお勧めします。そして、勝手に薬の服用を止めるのではなく、病院で相談してみましょう。
インフルエンザの治療を中断した(薬の服用を止めた)方がいいのか、大丈夫なのか、医師の判断の下で決めるようにしましょう。
なお、私の次女は鼻血が続きましたが、タミフルの服用は続けました。鼻血などの症状もインフルエンザの症状も治まりましたよ。
<参考サイト>
薬局薬剤師のための新型インフルエンザ対応マニュアル
来年に向けて、予防策と知識の蓄積を
私の周辺でも、インフルエンザの流行のピークは過ぎたように思います。そして、長女も次女も流行に乗ってくれました・・・。
また、次の冬も確実にインフルエンザは流行しますから、今年の経験を糧に、予防策や対策を頭に入れておきたいですね。
まだ2月で、3月になってもインフルエンザになる人はなります。マスク・手洗い・うがい・頻繁に喉を潤す、という対策を続けていきましょう。